Shopifyの送料を地域別に設定する方法|都道府県・離島対策や反映されない時の対処法を徹底解説
投稿日:2025.12.21
更新日:2025.12.21
Shopifyでオンラインストアを開設したばかりの経営者や、初めてECサイトの運用を担当する方が必ずと言っていいほど直面するのが「送料設定」という壁です。
日本国内での配送は、本州一律の料金で対応できる場合が多い一方で、北海道や沖縄、さらに離島といった地域では運送会社への支払額が大きく変わるため、慎重な設計が求められます。
送料の設定を誤ると、利益を圧迫してしまったり、逆にお客様にとって不透明な料金体系となり「カゴ落ち(購入辞退)」の原因になったりすることもあります。
そこで今回は、フリーランスのShopify構築者として数多くのサイトを立ち上げてきた経験から、実務で役立つ地域別送料の設定方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
Shopifyの送料設定の基本構造|配送プロファイルと配送エリアの役割

Shopifyで送料を管理するためには、まず「配送プロファイル(Shipping profiles)」と「配送エリア(Shipping zones)」という2つの重要な概念を理解する必要があります。
これらはShopify独自の仕組みであり、ここを理解することがスムーズな設定の第一歩となります。
配送プロファイル(Shipping profiles)とは?商品ごとに送料を分ける仕組み
配送プロファイルとは、同じ配送ルールを適用する「商品のグループ」のことです。
通常、すべての商品には「基本のプロファイル」が適用されますが、例えば「通常便の商品」と「冷蔵・冷凍の商品」で送料を分けたい場合には、それぞれ別のプロファイルを作成して商品を登録します。
このように、配送プロファイルを活用することで、商品ジャンルごとに異なる送料の計算ロジックを持たせることが可能になります。
配送エリア/配送ゾーン(Shipping zones)で都道府県をグループ化する
配送プロファイルの中で、さらに「どこの地域に送るか」を決めるのが配送エリア(配送ゾーン)です。
例えば、日本全国を一つのエリアとしてまとめることもできますし、「関東地方」「関西地方」「北海道・沖縄」といった具合に、都道府県単位でエリアを細かく分けることもできます。
このエリア分けを行うことで、地域ごとに異なる配送料金(Shipping rates)を紐付けることができるようになります。
ロケーション(Location/発送元)が送料計算に与える影響
Shopifyには「ロケーション」という発送元の住所を管理する項目があり、これが送料計算に大きく関わります。
もし実店舗と倉庫など複数のロケーションを登録している場合、どの在庫から発送するかによって適用される送料が変わることがあります。特にドロップシッピングを利用している場合や、外部アプリによってロケーションが自動追加された際は、送料が意図せず反映されない原因になることがあるため注意が必要です。
国内配送のデフォルト設定と地域別送料の優先順位
Shopifyを日本で開設すると、初期設定では日本全国が一つの配送エリアにまとまっていることが多いです。
ここから特定の地域の送料を変えたい場合は、まず既存の「国内配送」エリアから特定の都道府県を除外し、新しいエリアとして追加し直す作業が必要です。
Shopifyでは、より条件が限定的なルールが優先されるため、地域ごとの設定を丁寧に行うことで、全国一律設定よりも詳細な送料が優先的に適用されるようになります。
【結論】標準機能でどこまで地域別の出し分けができるか?
Shopifyの標準機能では、都道府県単位での送料の出し分けは非常に簡単に行えます。
しかし、郵便番号単位での細かい離島設定や、注文した商品が複数の配送プロファイルにまたがる場合の複雑な計算は、標準機能だけでは対応しきれない部分があります。
まずは標準機能を使いこなし、どうしても解決できない場合にのみアプリを検討するというステップが、コストを抑えた運用のコツです。
【手順】Shopifyで送料を地域別・都道府県別に設定するやり方

それでは、具体的に管理画面から地域別の送料を設定する手順を解説していきます。今回は、多くのストアで必要とされる「北海道や沖縄だけ送料を高くする」設定を例に進めます。
ステップ1:配送プロファイルの作成または編集
まずは管理画面の「設定」から「配送と配達」を選択します。
「基本の配送料」の横にある「管理」ボタンをクリックすると、プロファイルの詳細設定画面に移ります。
新しい送料ルールを作りたい場合は、ここから作業を開始します。
ステップ2:配送エリアを追加し、対象の都道府県(北海道・沖縄等)を選択する
配送エリアのセクションで「エリアを作成」をクリックします。
エリア名に「北海道・沖縄」など管理しやすい名前を入力し、検索バーで「日本」と入力した後に現れる都道府県一覧から、対象となる地域だけにチェックを入れます。
ここで選択した都道府県が、後ほど設定する料金の適用範囲となります。
ステップ3:地域ごとの定額送料(Flat rate)を登録する
作成したエリア内で「送料を追加」をクリックします。
「独自の料金を作成する」を選択し、お客様に表示される名前(例:宅急便)と、その地域向けの価格を入力します。
この定額送料(Flat rate)を地域ごとに設定していくことで、日本全国の配送網に合わせた料金表が完成します。
ステップ4:送料無料条件(◯円以上購入)を地域別に適用する方法
「10,000円以上で送料無料」といったキャンペーンを行いたい場合も、地域別に設定が必要です。
送料を追加する際に「条件を追加」を選択し、「価格に基づく」を選んで最小価格を設定します。
例えば、本州は5,000円から無料にする一方で、北海道・沖縄は15,000円から無料にするといった調整も、この条件設定を使い分けることで実現できます。
ステップ5:設定内容がストアフロントに正しく反映されているか確認する
すべての入力が終わったら必ず画面右上の「保存する」を押してください。
その後、実際のショップ画面でテスト用のアドレスを入力し、正しく地域別の送料が計算されるかテスト注文を行います。
キャッシュの影響で反映されないこともあるため、シークレットウィンドウ等で確認するのが確実です。
売上と利益を両立させる「条件付き配送料」の設計ガイド

送料の設定は単にコストを回収するだけでなく、マーケティング的な側面も持っています。
売上を伸ばしつつ利益を確保するための、賢い条件設定のコツを見ていきましょう。
金額条件による送料設定:高額注文時の送料無料ライン
「あと数百円で送料無料」という心理は、客単価を上げる強力な武器になります。
しかし、送料無料のライン(金額条件)を低くしすぎると、利益が送料で消えてしまうリスクがあります。
平均客単価や配送実費をシミュレーションし、無理のない範囲で送料無料ラインを設定することが、健全なストア運営には欠かせません。
重量条件による送料設定:大型商品やまとめ買いに対応する
サイズや重さによって配送コストが大きく変わる商品を扱っている場合は、重量条件(重量ベースの送料)の活用が有効です。
商品管理画面で各商品の重量を正確に入力しておけば、カゴの中身の合計重量に応じて送料を自動で変動させることができます。
これにより、大量注文があった際の「送料赤字」を防ぐことが可能になります。
配送業者が計算した料金(Carrier-calculated rates)との連携
海外発送を行う場合や、特定の配送会社と高度な連携をしている場合は、システムが配送会社の料金表をリアルタイムで参照する機能を使うこともあります。
ただし、日本国内の主要な運送会社との直接連携は、Shopifyのプランや追加契約が必要な場合が多いため、まずは一律料金や重量ベースの設定で運用し、物量が増えてから検討するのが一般的です。
バックアップ配送料(Fallback rates)を設定して「送料不明」を防ぐ
万が一、設定した条件のどれにも当てはまらない注文が発生した場合、決済画面で「この地域への配送は利用できません」というエラーが出てしまいます。
これを防ぐために、広範な条件をカバーするバックアップ配送料を最低一つは用意しておくことが、機会損失を防ぐためのリスクヘッジとなります。
利益を削らないための「実費」と「設定送料」のシミュレーション
配送会社と契約している運賃(実費)と、Shopify上で設定する送料の差額を常に把握しておく必要があります。
特に梱包資材の代金や出荷作業の手間も考慮し、トータルで利益が出る設計になっているかを定期的に見直しましょう。実務では、月に一度は送料の収支をチェックすることをおすすめします。
北海道・沖縄・離島の送料設定における注意点と「郵便番号」の壁

日本のEC運営において最も頭を悩ませるのが離島への送料設定です。
Shopifyの標準機能だけでは対応しきれない部分があるため、その限界と対策を知っておく必要があります。
Shopify標準機能で「離島」を個別に指定できない理由
Shopifyの地域区分は、基本的に「都道府県」単位です。
そのため、例えば「東京都」の中に含まれる伊豆諸島や小笠原諸島といった離島だけを切り離して、別の送料を設定することが標準機能ではできません。
これが、多くのShopifyユーザーが最初にぶつかる「離島の壁」です。
北海道・沖縄の送料を別枠にする際の具体的な設定値
北海道や沖縄については、都道府県単位でエリアを分けることで、簡単に高い送料を設定できます。
この際、あまりに高額な送料を設定すると離脱率が上がってしまうため、一部を商品価格に転嫁するなどして、送料の表示金額をマイルドに抑える戦略も有効です。
郵便番号ベースで詳細な送料設定を行うための代替案
離島などの細かい地域指定を郵便番号レベルで行いたい場合は、外部アプリの導入が必須となります。
アプリを使えば、特定の郵便番号が含まれる地域に対してのみ追加料金を加算したり、逆に特定の地域への配送を完全に制限したりといった柔軟なコントロールが可能になります。
特定の地域だけ配送対象外(注文不可)にする設定手順
生鮮食品などを扱っている場合、配送に日数がかかる地域をあらかじめ除外したいことがあります。
Shopifyでは、配送エリアを作成する際にその都道府県を選択肢から外すことで、その地域から注文できないように制限をかけることができます。
ただし、購入希望者に不親切にならないよう、商品ページなどに「配送不可地域」を明記しておく配慮が必要です。
配送プロファイルの制約:1つの都道府県は1つのエリアにしか属せない
設定時の技術的な注意点として、同一の配送プロファイル内では、一つの都道府県を複数の配送エリアに重複して登録することはできません。
例えば「関東エリア」と「全国エリア」の両方に「東京都」を入れることはできないため、まずは詳細なエリア(関東、関西など)をすべて作成した後に、残りの地域をまとめるという手順で構築を進めるのがスムーズです。
送料が「表示されない」「反映されない」時のトラブルシューティング

設定を終えていざテストしてみると、送料が正しく表示されないことがあります。
そんな時に確認すべきチェックポイントをまとめました。
チェックリスト:ロケーションの発送設定が無効になっていないか
最も多いミスの一つが、設定したロケーションから「オンライン販売のフルフィルメントを許可」していないケースです。
ロケーション設定画面で、その住所が発送元として機能するようにチェックが入っているか再確認してください。
配送プロファイルに商品が登録されていない(未割り当て)ケース
新しい配送プロファイルを作成しただけでは送料は適用されません。
そのプロファイルの中に、対象となる商品を一つずつ、あるいは一括で紐付ける作業が必要です。
未登録の商品がある場合、それらの商品は「基本のプロファイル」の送料で計算されてしまいます。
送料が0円(無料)になってしまう設定ミスの原因
「10,000円以上で送料無料」の設定をしているつもりが、条件の入力ミスで「全注文が0円」になってしまうことがあります。
特に「無料」という名前の送料を作成した際に、条件設定を忘れていないか、あるいは別の無料設定が優先されていないかを確認しましょう。
複数の送料が表示される・合算されない時の計算ロジック
異なる配送プロファイル(通常便と冷凍便など)の商品を一緒にカートに入れた場合、Shopifyはそれぞれのプロファイルで設定された送料を合算して表示します。
例えば、それぞれ送料1,000円の設定なら合計2,000円となります。これが高すぎると感じる場合は、送料の計算ロジックを調整する工夫が必要です。
アプリ由来のロケーション追加で送料が崩れた際の対処法
配送日時指定アプリや物流代行アプリを導入すると、システムが自動的に新しいロケーションを作成することがあります。
この時、送料設定が新しいロケーションに引き継がれず、決済画面で送料エラーが出ることがあります。
「配送と配達」の設定画面で、すべてのロケーションが正しいプロファイルに紐付いているかを確認してください。
複雑な地域別送料を解決するShopifyおすすめアプリ比較

標準機能の限界を超えて、さらに細かく、かつ効率的に送料を管理したい場合に検討すべきアプリを紹介します。
離島・郵便番号単位の設定に強い「Parcelify」
古くからShopifyユーザーに愛用されているのが「Parcelify」です。
このアプリの最大の特徴は、郵便番号を用いた非常に細かいエリア指定ができる点です。
海外製アプリのためメニューは英語ですが、条件分岐の柔軟性が高く、離島対策の定番として知られています。
日本特有の商習慣に対応した国産アプリ「配送カスタム」
日本語で安心してサポートを受けたいなら「配送カスタム」などの国産アプリがおすすめです。
都道府県別の設定はもちろん、配送業者ごとの細かい料金表の再現や、特定の商品の組み合わせによる送料の割引・加算など、日本のEC運営者が欲しがる機能が網羅されています。
高度な条件分岐を可能にする「Advanced Shipping Rules」
さらに複雑なビジネスモデル、例えば数千種類の商品があり、それぞれ発送元や配送ルールがバラバラな場合には「Advanced Shipping Rules」のような多機能アプリが必要になります。
初期設定は大変ですが、ほぼどのような配送シナリオでも実現できるパワーを持っています。
アプリ導入時のコストパフォーマンスと運用の注意点
アプリを導入すれば便利になりますが、月額費用が発生します。
送料を数千円上乗せするために高い月額料金を払うのが正しい判断かどうか、配送件数と照らし合わせて考えることが重要です。
また、アプリを解約した際に設定が消えてしまわないよう、設定内容は必ずバックアップを取っておきましょう。
アプリを使わずに「配送名」の工夫で離島送料を運用する方法
予算的にアプリ導入が難しい場合の裏技として、送料の名前そのものに「離島の方は必ずこちらを選択してください」といったメッセージを入れ、金額の高い送料を選択肢として提示する方法もあります。
ただし、お客様が安い方の送料を選んでしまうリスクがあるため、あくまで過渡期的な運用と考えたほうが無難です。
EC事業者が知っておくべき配送ポリシーの書き方とUX向上

送料設定ができたら、次はその内容をお客様に正しく伝えるための工夫が必要です。
親切な情報提供は、ストアへの信頼を深めることにつながります。
送料ページ(配送ポリシー)の作成手順と必須項目
「送料について」という独立したページを作成しましょう。
各地域への具体的な金額、送料無料になる条件、配送業者の名前、そして注文から発送までの日数などを明記します。
Shopifyの「法的事項」設定にある「配送ポリシー」も併せて更新しておきましょう。
カート画面で送料を事前に把握させるための工夫
決済画面に進むまで送料が分からないと、お客様は不安を感じます。
カート画面(買い物カゴ)に「あと〇〇円で送料無料」というメッセージを表示させたり、送料の目安を記載したりすることで、購入への心理的ハードルを下げることができます。
ローカルデリバリー(地域限定配送)と店頭受け取りの活用
もし実店舗がある場合や、特定の近隣地域に自社で配達できる場合は、Shopifyの「ローカルデリバリー」機能を活用しましょう。
これは特定の郵便番号や半径数キロといった範囲内に限定して、格安または無料の配送プランを提示できる機能です。
配送料の消費税設定(内税・外税)の確認
意外と忘れがちなのが、送料に対する消費税の設定です。
Shopifyの設定で「配送料に納税を適用する」にチェックが入っているかを確認してください。
日本の税制では送料にも消費税がかかるため、設定が漏れていると納税額の計算が合わなくなる恐れがあります。
返品・交換時の送料負担についても明記しておく
送料に関するトラブルで多いのが返品時です。
「お客様都合の場合は元払い(お客様負担)」「不良品の場合は着払い(店負担)」といったルールを明確にしておきましょう。
ここをあやふやにしておくと、後に大きなトラブルに発展する可能性があります。
Shopifyの配送・送料設定に関するよくある質問(FAQ)

最後に、日々の構築支援の中でよくいただく質問をピックアップして回答します。
Q:都道府県ごとに一括で送料を設定するショートカットはある?
標準機能に「一括コピー」のボタンはありませんが、一度一つのエリアで完成させた「配送料金」の設定は、他のエリアでも似た条件であれば手入力で迅速に再現するしかありません。
CSVでの一括更新機能は標準では弱いため、エリア数が多い場合は設定漏れに注意しましょう。
Q:クール便(冷蔵・冷凍)の送料を地域別に加算できる?
可能です。「クール便」という名前の配送プロファイルを作成し、対象商品をそこに登録します。
その後、そのプロファイルの中で各地域への送料(通常運賃+クール料金)を設定すれば、自動的に出し分けができます。
Q:注文確定後に送料だけを後から変更することは可能?
Shopifyの標準機能では、注文確定後に「送料だけを編集する」ことは制限されています。
どうしても変更が必要な場合は、注文をキャンセルして再注文いただくか、別途「追加送料支払い用」の商品リンクを作成して購入してもらうといった運用上の対応が必要です。
Q:複数の配送プロファイルにまたがる商品を買われた時の送料は?
基本的にはそれぞれのプロファイルの送料が「合算」されます。
これが意図せず高額になりすぎる場合は、どちらか一方の送料を優先させる、あるいは特定の条件で割引くためのアプリ導入を検討する必要があります。
Q:ネコポスと宅急便を地域別送料と組み合わせて運用するには?
重量ベースの設定を活用するのがベストです。
例えば、0g〜100gまでは「ネコポス(一律料金)」、それ以上は「宅急便(地域別料金)」という具合に、重量のしきい値で配送手段と料金を切り替える設計が実務的です。
まとめ:Shopifyの地域別送料を正しく設定して顧客満足度を高めよう
Shopifyの地域別送料設定は、一見複雑に見えますが、仕組みさえ理解してしまえば標準機能だけでもかなり柔軟な運用が可能です。
大切なのは、最初から完璧を求めすぎず、まずは自社の主要な顧客層にとって分かりやすく、かつ利益が残るシンプルな設定から始めることです。
北海道や沖縄、そして離島への送料については、配送会社の実費とストアのブランドイメージを照らし合わせ、最適なバランスを見つけてください。
設定が反映されないトラブルが起きた時は、今回ご紹介したチェックリストを一つずつ確認すれば必ず解決の糸口が見つかるはずです。
正しく送料を設定し、お客様が安心して買い物ができるストア環境を整えていきましょう。